第1944回
日本人で中華料理をサービスする実験

いま日本人が中国でやって
成功のできる分野は
どんなところにあるのか、
私の周辺にいる人たちの一致した意見は、
中国人がやれないことをやることです。
では中国人にやれないことは
何かということになると、
第一は物づくりにおける完璧主義であり、
第二に相手の身になってやるサービス精神であり、
そして第三に、
あの人に任せれば大丈夫だという安心感です。
どんな業種かといったことではなくて、
一つの仕事をしあげて行く過程で
顧客にもたらされる満足感です。

日本の方が一足先に工業化がすすみ、
メイド・イン・ジャパンの工業製品が
好評を拍しているので、
物づくりなら
日本人の得意とするところだと思いがちです。
でも日本人の職人かたぎを裏打ちしているのは、
きちんと仕上げないと気がすまない
日本人の完璧主義であり、
また修理をしないですむようにという
お客に対するサービス精神です。
物ではなくて、
きわめて精神主義的な心の持ち方の問題なのです。
それが物づくりに向った場合は工業製品になるし、
物の売買に向った場合は
百貨店やスーパーや
コンビニの経営ということになります。
またレストランとか、コーヒーショップとか、
カラオケなどのサービス業に向えば、
中国人のやり方と自ら違った
サービスのやり方となって現れます。

となれば、
いまの中国はさしずめ
レストランの全盛時代ですから、
レストランの業界でも
日本人の長所を発揮することができます。
それを日本料理という業界だけに
限ることはありません。
多分、一番可能性のあることは
むしろ中国人が最もたくさんのお金を支払う
中国料理の業界ではないでしょうか。
中国料理の天才につくらせて、
日本人のサービス精神でお客に味わってもらう―
といったことなら、
大成功する可能性があります。
そう考えるようになってから
6、7年もたってしまいましたが、
いよいよその実験をやって見る気を起しました。
北京でこれからはじめるところです。


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