第1940回
修理学校もまだ自動車美容の段階です

デザイン学校よりも
自動車整備学校を優先させたのには
わけがあります。
どちらもこれから
経済の成長が本格化する中国にとっては
欠くことのできない技術ですが、
またどちらも先生を集めてスタートするのに
人知れぬ苦労がありますが、
生徒集めということになると、
デザインの方が修理工よりも、
もっと難しいからです。

デザインを志望する人も
都会に出ればそれなりにいるでしょうが、
デザイン学校を卒業した人が
右から左へと就職できるわけではありません。
そういう人を採用してくれるスポンサーが
先ず必要です。
コピーをして間に合う時代に
デザイナにまで目の届く企業家が
そんなにたくさんあるとは思えません。
いずれその必要を痛感する時代は来るでしょうが、
それまではデザイナも苦労するし、
学校はもっとその影響を受けます。

それに比べると、
自動車の修理工は自動車のふえた分だけ
仕事がふえているので、
卒業する前から仕事が待ちかまえています。
一人前の技術を身につけたら、
3000元(一般のサラリーマンは1000元前後)の収入が
得られますから、就職の心配はありません。
その代わり貧しい家の子弟が大半ですから、
1年間も2年間も
授業料を払っている余裕がありません。
したがって本格的な修理の技術を身につけるよりも、
簡単な修理やバンキンや塗装とか、
いわゆる車の美容を中心とした手入れ
ということになってしまいます。

いま中国ではじまったばかりの
自動車修理工場は
美容に属する収入が80%で、
本格的な修理は20%しかないそうですから、
自動車修理学校で実際に教えることは
自動車美容が中心で、
一通り習って卒業するのに
1ヵ月半か、2ヵ月で間に合ってしまいます。
では本格的修理はどうするのですかときいたら、
それはそれぞれのメーカーに持ち込むことですね
と涼しい顔をしています。
修理学校もいまの中国では
儲かることしか手がけない段階にあるのです。


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