第1934回
コピーの才能をバカにしてはいけません
いま中国の経済成長は
怒涛の勢いで進んでいます。
次々起ることは
その中に住んでいる人にとって
新しいことばかりですから、
この次はどんなことになるのか、
どこに位置していたら、
どんな好運に恵まれて、事業に成功するのか、
またお金持ちになれるのか、
さっぱり見当がつきません。
しかし、工業化が進む過程で
一大消費市場が形成され、
そうした新しい社会需要を
充たす立場に立った人が
好運に恵まれることは先ず間違いありません。
世界最大の消費市場で
生産の牽引車になるのは
マイホームとマイカーであることは
先ず間違いありませんから、
これらの分野とかかわりのあるところで
一家をなす仕事で成果をあげれば、
成功者の仲間入りをすることができます。
どちらの分野も、
中国はまだ低水準にありますので、
生産技術と共に資本が外国から大挙して
中国に進出しています。
既に世界的に実績のある企業が進出しても、
もしくはそうした企業と提携しても、
成功の確率は高いし、
そのコピーをして
成功している現地企業もたくさんあります。
いま中国の企業は他国の知的生産権を
無断借用していると言って批難されていますが、
学問とか学校で学ぶことは
マネビというように
先ず先生のマネからスタートします。
いまの段階なら中国人は
独創性ではいまいちですが、
コピーの天才と言ってよいでしょう。
ソニーでもホンダでもサンプルさえあれば、
立ち所に同じ物をもっと安いコストで
つくりあげることができます。
コピーだからと言ってバカにしてはいけません。
半世紀前の日本もそうでしたが、
マネをしているうちに
だんだんオリジナルをつくれるようになったのです。
ですからいま中国に欠けているのは
オリジナリティであって、
私のような立場の人は
只お金儲けをするよりも、
どうやったら中国人に
オリジナリティがあるようになるか、
そのお手伝いをすることに一番熱が入ります。
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