第1910回
現地で勉強する会に参加して下さい
夏休みを利用して
現地で中国事情の勉強をするのはいかがですか。
ことしの4月には抗日反日デモが発生して
大陸旅行のスケジュールをキャンセルしたり、
旅行そのものを控える人も多かったので、
日本人相手の商売をやっているところは
どこもあがったりだときいております。
でも、こんな時こそ問題がどこにあるか、
自分の目で見て、
正しい認識を持つ必要があります。
先ず北京を歩いても上海を歩いても、
日本人に対して敵対的な態度をとる人は
全くと言ってよいほどありません。
しかし、新聞はくりかえし
戦争犯罪人を祀った靖国神社に
小泉首相が公然と参拝している無神経さを
批難した記事を載せています。
朝刊のトップに
そういう記事が載っているのを見ると、
まだ問題は未解決のまま停滞しているんだな
ということがわかります。
ただこうした問題は政治の問題だから、
我々はよけいな口はきかないに限ると
口をとざしている人々が多いように思われます。
実際にいま中国で起っていることは、
13億の市場で原料不足が巻き起した
鉄、石炭、石油などの価格高騰と
それに伴う電力不足、運賃の高騰、
また過剰流動性と
所得の増大がもたらした不動産の暴騰と
それを抑え込もうとする政策の綱引き、
そして人民元の切り上げを
先延ばしにする為替政策がもたらした
アメリカとの泥試合であり、
その結果、株価が9年ぶりの安値を更新したり、
物価がインフレ気味になっていることです。
なかでも上海市政府が不動産の売買に対して
5%の営業税を課すると発表したり、
アメリカが繊維製品の輸入に
特別税を課するのを防ぐために
中国政府が先手を打って
4%の輸出税をかけると発表したことが
不動産の投機に走っている人たちや
繊維産業の株価に大打撃をあたえています。
いずれもニュースとして
日本に届いていないことばかりなので、
中国人がいま何に神経質になっているのか、
日本人にはさっぱりわかっていません。
そうした事情を理解するためにも
夏休みを利用して
「北京を勉強する会」
「上海を勉強する会」に参加するのが
一番手近かな方法です。
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