第1891回
農村に最大のスキマが見えてきました

でも付加価値は
いつまでも1ヵ所に根をおろしているとは限りません。
付加価値は移動をするものなのです。
かつて付加価値がアメリカから
日本や西ドイツに移動したように、
環境が変わると、
また日本やドイツから別の地域に移動をします。
いまで言えば、
世界中から中国へ大移動をしている最中です。

大移動をしたら、仕事を失った国の人が
直ぐにピンチにおちいってしまうわけではありません。
その土地でやれなくなった仕事が
他の地域に移るようなら、
お金も人もそれについて移動をすればいいのです。
ただお金と技術はすぐに移動できますが、
人間の方は根が生えていて
なかなか動こうとしません。
すると、やりたい仕事がなくなったり、
残った人たちが失業に見舞われたりします。

高賃金、高失業は先進国の特長です。
アメリカもそうですが、
ドイツやフランスなどの
ヨーロッパの方が失業率は高く、
それに比べたら、
一桁台の眞ん中へんにいる日本は
まだまだ高失業国に入らないかも知れませんが、
フリーターしかやらない若者が
ふえているのを見てもわかるように、
就業より失業を選ぶ人が
ふえる方向にあることは間違いありません。

となると、
失業者が多い中で人手不足に悩むことになります。
わけても農村で親のあとを継ぐ子供がいなくなりますから、
農地は荒れるに任せることになるし、
年寄りばかりふえて
年寄りの面倒を見る人手に不足するようになりますから、
日本の国内にぽっかりと大きなスキマがあくようになり、
このスキマを埋める新しいビジネスが誕生することは
避けられなくなります。

老人の面倒を見るビジネスは
既に新顔が株式市場にも顔を出すようになっていますが、
農村の人手不足を解決するビジネスは
まだ姿を見せていません。
外国の労働者に頼るよりほかないことは
はっきりしていますが、
安い労働力が入って
就職戦線に混乱をもたらすことを懸念して
扉を堅く閉じているからです。
でもそんな悠長なことを言っておられない時は
もうすぐそこまで来ています。


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