第1846回
補聴器のある風景、私の誕生日
きょうは私の満81才の誕生日です。
「もしもしQさん」がはじまって
既に単行本にして17巻が刊行されますが、
第1頁目が私の誕生日にあたるのは
きょうがはじめてです。
あまり長生きすると、頭も呆けるし、
家族や世間さまにもよけいな迷惑をかけるので
いい加減なところでおしまいにできたらと思って、
「私は77才で死にたい」という本まで書きましたが、
天は思うようには死なせてくれず、
とうとうことしで4年分はみ出してしまいました。
4、5年ほど前から
耳のきこえがだんだん悪くなり、
補聴器の世話になるようになりましたが、
昨年あたりから一そうきこえが悪くなって
どうしようかと悩んでいたら、
新聞に日本人が新しく発明したという
アナログの補聴器の広告が載っていました。
価格は29,800円だと言う。
私が使っている補聴器の
10分の1よりまだ安価なので、
早速、買いに行ってもらったら、
ヒモで電池につながっているので、
電池をポケットにおいておくのはいいとして
ヒモが丸見えだから、
如何にも年寄り臭く見えます。
でもデジタルの先端技術を駆使した補聴器よりは
よくきこえるので、
どうしようと思案に暮れていたら、
「ウォークマンと同じですから、若者の仲間入りですよ」
と慰められて漸くつける気になりました。
たまたま日本経済新聞で
ドラッガーさんの「私の履歴書」を読んでいたら、
ドラッガーさんも
片時も補聴器を耳から離せなくなったと
述懐していましたので、
「もう定年を遥かに超えた年齢になっても
まだ第一線から離れたがらない人の小道具なんだな、
そのうちに元気な年寄りの
ファッションになるかも知れないなあ」
と自分に都合のいいように
解釈するようになりました。
勝手つんぼをきめこむには
とても好都合ですが、
身体の方はこのとおり元気で
いまも世界中、走りまわっています。
ことし中国大陸ではじまる仕事だけでも
10以上はありますので、
片棒かついで下さる方は集まって下さい。
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