第1837回
ドルを売って人民元で資産づくりを

どんなに高くても
人が喜んで買ってくれる商品なら
コスト・ダウンの努力をする必要はありません。
どうしたら人が喜んでくれるかに
精神を集中すれば事足ります。

でも世の中で売られている大半の商品は
品質や性能の向上を要求された上、
値下げを要求されます。
お客が要求しなくとも、
もっと安く供給できれば、
もっと売れることは
どのメーカーでも承知しています。
したがってコスト・ダウンは市場経済が続く限り
生産者が取り組まざるを得ない永遠のテーマです。

国境の壁が高くて
外国製品を輸入禁止や高い関税で
防ぎ止めることができれば、
モノの出入りをコントロールすることもできるし、
従ってお金の出入りも或る程度、
食い止めることができます。
しかし、コスト・ダウンが至上命令で、
お金もモノも自由自在に動けるのが
人間社会だとすれば、
お金はお金の儲かるコストの安いところに動きます。
アメリカのメーカーは
自分たちでつくっても採算に乗らないので、
大半が自国生産をやめて、
自分たちがコストの安いところへ動くか、
そこの人につくってもらって、
それを輸入して売る方向へ転換します。
極端なことを言えば、
アメリカ人は物づくりを一切やめて、
ディーラと消費者だけになってしまいます。
それはそれでやむを得ないことですが、
輸入商品の代金を支払うためには
それに相当する反対給付をしなければなりません。
いまのところ、アメリカの国債を買ってもらったり、
株式投資や資産運用の指導をして
手数料をもらっていますが、
IT関係の産業でも
アメリカの優位が崩れるとすれば、
あとは坐食して山の崩れるのを待つばかり
ということになります。

アメリカの優位を認める人たちは
まさかと思うかも知れませんが、
お金の流れを見ている限りでは
アメリカ人の金庫の中は
だんだん空になる方向に向っています。
したがって、余程の奇跡が起らない限り、
アジアの優位が築かれて行く方向にあると
私は見ています。
ドルを売って、人民元で
資産をつくる時代が近づいているのです。


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