第1831回
今頃、高速道路の株はと文句を言われても
40何年前、
私が自動車ブームに目を向けたところ、
科学技術コンサルタントの先生が
私の見方に正面から反対しました。
私が自動車ブームを予想したところ、
その人は
1.アメリカに比べて日本の技術レベルがあまりにも見劣りする
2.生産ロットに天と地ほどのひらきがある
3.日本には自動車が走れるような道がない
だから日本で自動車産業は無理だ
というのがその人の結論でした。
それに対して、
私は晴海埠頭の自動車ショーの光景が
頭の中に焼きついていましたので、
「自動車ブームは必らず来ます。
道がないのなら、自動車の洪水が必らず道を拡げます」
と主張して、
道路関係の株に目を向けろと主張しました。
当時、道路株というのは
まだ2銘柄か3銘柄しかなく、
資本金も小さかったので、
プロたちのおもちゃにされていました。
日本地図を拡げて見ると、
日本は山あり河ありで
だだっ広い平地の少いところですから、
道を拡げようとすれば、
山にぶっつかったところでトンネルを掘り、
河にぶっつかったところで
橋を架けるよりほかありません。
ならばトンネルを掘る会社と
橋梁を架ける会社の株を買えばいいじゃないか、
と言って佐藤工業とか宮地鉄工の株を推奨しました。
すると、それらの株が何倍にもハネ上がり、
おかげで私も株で儲けたお金で
はじめて小さなビルを建てることができました。
それと同じことが中国で起るとすれば、
中国は見る限り平地ですから、
トンネルに橋梁というわけには行きません。
それに代わるものとして
すぐに頭に浮んできたのが高速道路の株でした。
自動車ブームを見越して、
高速道路は一足先にできていましたが、
車が少いためにまだガラガラ空きでした。
でも自動車ブームはもうそこまで来ていますから、
高速道路が一杯になるのは目に見えています。
そう考えたので、3年も前に
高速道路の株をとりあげたところ、
ほとんどの高速道路株があれから
倍から3倍と値上がりをしています。
いま頃、奥手の人が
「高速道路の株を買ったけれどさっぱり上がりませんね」
と私のところへ文句を言ってきています。
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