第1827回
税理士の割り込む余地があります
会計事務所についても、
弁護士事務所についても、
似たようなことが言えます。
日本企業の進出が陸続としてふえれば、
人材も必要なら、税理士や弁理士や
弁護士の必要もついてまわります。
ところが、日本と中国とでは制度も違うし、
人の考え方も違うし、
対応の仕方も当然、違ってきます。
日本人だけでやれないし、
中国人だけでもやれないし、
双方に精通した知識を持っているか、
その双方をうまくかみあわせることのできる人が
どうしても必要になります。
たとえば、
日本の会計法と中国の会計法は違います。
日本から高い給料を払って
日本の会計に通じた人を連れてきても、
中国の税務署に提出できる書類はできません。
では中国人の会計を使って処理すればいいかというと
日本の本社に受けつけてもらえませんから、
もう一度、日本の会計法に基づいた貸借対照表に
つくりなおす必要があります。
つまり一人で双方の会計法に精通し、
どこをどうなおしたら、
どちらにでも移しかえることのできる能力を備えた人が
必要になるのです。
いま中国に進出した企業に必要な税理士は
そうした双方の知識を持った人です。
それは日本人が中国の税法に精通するか、
中国人で日本の会計法に精通すればよいのですが、
恐らく日本人の税理士が
中国の税法を身につけた方が早いでしょう。
お金を払うのは日本の企業ですから、
日本人の税理士の方がすぐにも信頼されます。
つまり日本の税法、会計法に精通した
日本の税理士が中国の税法を勉強し、
そのために中国人の助手を養成することができたら、
日本企業の経理事務をアウトソーシングで
一手に引き受けることは簡単にできると思います。
但し、税務署との掛け引きは
日本人では恐らく全く歯がたたないでしょう。
向うも日本人では
まともに相手になってくれないでしょうし、
腹を割って話をする気には全くならないでしょう。
それはそれでいいのです。
それぞれの分担があって、
仕事の奪い合いにならないのですから。
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