第1798回
グローバル化は気の小さい日本人には不向きです
日本人は自分たちが割合に
排他的な国民であることに気づいていないようです。
四周を海に囲まれた島国で、
外敵に曝されていないので
殆んどが隣り同志の喧嘩ですが、
たまに海の向うから攻め込まれるような目にあうと、
元寇の時のように
一致団結して敵にあたります。
敗戦後、アメリカの占領下におかれた時も
経済成長に向う過程で、
産業界が海外の有力企業に支配されることを恐れて、
外資の進出にきびしい制限を設けました。
トヨタ自動車もいまでこそ「世界のトヨタ」ですが、
当時の社則で外国人が役員になることを
禁じていたくらいですから、
結構、気の小さい国民だということがわかります。
世界のトップを行く経済大国になってからでも、
政策の間違いによってバブルがはじけ、
成り立たなくなった銀行や
スーパーが売りに出されると、
その買収に動いた外国資本を
禿げ鷹呼ばわりしています。
そういう気風が強いので、
グローバル化がはじまると、
乗っ取りに対する警戒心が人一倍働き、
同じ日本企業に買われる分には
さして文句がでませんが、
それが外国資本となると
敵対心をむき出しにします。
島国根性なんだと言ってしまえば、
それでおしまいですが、
グローバル化の時代には
それでは通用しません。
海外に進出した日本企業は
新しい会社をつくって
一からはじめることもありますが、
既存の企業を買収することもあれば、
その土地の同業者を
滅ぼす立場に立つこともあるのです。
そうした食うか食われるかは
国を背景としたものではありません。
たまたま日本人、
もしくは日本資本が経営しているけれども、
企業間の生存競争をやっているだけのことです。
むろん、それぞれの企業の実力のほかに
国別の長所や個性もあります。
「あれは日本の企業だから」という評価があれば、
それは日本企業の長所が
評価されているということです。
個人についても、
企業か個人かの違いがあるだけで、
帝国主義を背景としたものではありません。
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