第1781回
独占性より素適な買い根拠はない

いまの中国では輸出もふえていますが、
国内消費もふえていますので、
どんな商売がどこでハードルに遮られて
思わぬピンチにおちいるのか、
あまり見当がつきません。

しかし、輸出産業は人民元の切り上げがあれば、
その分、ハードルが高くなるだろうし、
国内向け最終消費財のメーカーは、
家電製品に見られるように、
乱売がはじまれば
業績の悪化が避けられなくなります。
いまはまだ成長の波に乗っているので、
それぞれの業界のネックになっているところが
あまり目立ちませんが、
今後、競争が激化すると、
家電業界に起っているようなことが
自動車業界やコンピュータ業界にまで
波及することが考えられます。

そうなると、
独占性のあるなしと、競争力のあるなしと、
景気不景気の影響の大きい小さいが
問題になるようになります。
たとえば昨今の中国では
輸出入とも年に30%の伸びを示しています。
しかし、その内容は時代によって刻々と変化します。
品物によって為替相場や価格に
大きく左右されることも起ります。
しかし、港湾の荷の揚げ下ろしをやっている業者は
独占的立場にあるので、
値下げを要求されることもないし、
仕事が減る心配もありません。
バラ積み船もコンテナ船も仕事がふえれば、
造船が間に合わない分だけ
船賃値上げの恩恵を蒙ります。

それに対して自動車や家電製品は
競争力のあるなしが業績に影響するし、
どの企業が生き残るのか見当もつきません。
日本だってトヨタとホンダになることは
30年前にはわかりませんでした。
業界の2位か3位までならと言っても、
いまの中国で見当のつく人は
いないのではないでしょうか。
従って景気不景気の影害を
あまり受けない業種と銘柄を選ぶのが安全だ
ということになりますが、
独占性の強いことが
中国株を選ぶ場合の
重要な条件になるといってよいでしょう。
港湾株や海運株が高値まで買われているのも
そうした独占性によるものと言ってよいでしょう。


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