第1780回
株価の明暗を分ける条件を考慮に入れて

いまの中国が
「世界の工場」としての地位を確立しつつあることは
新聞が盛んに報じていますので、
中国にあまり関心のない人でも
大体の見当はつくようになりました。
そのおかげで、
海外からの投資も年々ふえていますが、
中国の工場で生産された工業製品も
年に30%くらいの比率で増産輸出されています。

仕事のふえた分だけ雇傭もふえ、
賃金も年々高くなっていますが、
かつての日本がそうであったように、
それが購買力の増大となって
市場に大きな需要をもたらします。
貧乏だ貧乏だと言っているうちに、
世界最大の消費市場への道を
ひた走りに走りはじめたのです。
石油石炭をはじめ、
資源とか素材に属する分野で
不足が生じはじめたのは
そうした市場の変化がもたらしたものです。

需要があれば、
それを充たそうとして
供給が盛んになりますから、
売れる商品をつくっているメーカーは
お金が儲かってホクホクです。
でも業種として供給が
すぐにも需要に追いつくものもあれば、
思うように需要を充たせないものもあります。
すぐにも充たせるものは供給過剰になって
お金が儲からなくなりますので、
昨日の成長産業が
明日はもう斜陽産業だということが起ります。

かつての日本では
石炭や海運や繊維産業にそうした現象が起りました。
ですから日本人は誰でもこの手の商売は
先が長くないだろうと思っています。
中国でも遠い将来には
同じことが起る可能性がないとは言えません。
でも消費市場が成長しつつあることと
グローバル化が進んで
世界中を相手に安い製品を供給できる立場にあるのとで、
石炭と海運の不足は当分解決できそうもないし、
繊維に至っては輸出する側の政府が輸出税をかけないと
相手国の怒りを鎮めることができない状態が続いています。
いまは業績さえあがれば皆、成長産業ですが、
やがて過剰生産におちいる業種と
不足が容易に解決できない業種を
区別する必要が起ってきます。
それが株価の明暗を分けることになります。


←前回記事へ 2005年1月23日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ