第1768回
永守イズムの勉強をして下さい

いまのように
産業界に大きな変化が起きている時は
選手交替の時期ですから、
ベンチャー・ビジネスにとって絶好のチャンスだし、
再建屋にとってもまたとないチャンスです。

日本電産の永守重信さんは
もともと貧しい家に育って、
学費も免除になる職業訓練大学を卒業して
無一文からスタートした人ですから、
ベンチャー・ビジネスの出身です。
ないないづくしのところから、
工場をつくったり、売り込みをしたり、
銀行に行ってお金を借りたり、
また外国まで市場開拓に出かけたり、
難しいことは一通り経験つくしています。
なかでもユニークなのは、
縁あって一緒になった人たちが
皆まわりに集まってくることで、
人間としての魅力が生まれながら
そなわっている人なのかも知れません。
もしそういう苦労をしていなければ、
どこがツボかわかりませんから、
産業界の再建はつとまらないと思います。

最近の球団のオーナーの入れ替わりを見てもわかるように
新しい富豪は何十年かに一ぺんは入れ替わります。
しかし、オールド・エコノミーは
すべて舞台から消えてしまうわけではありません。
社会が必要とする物をつくっている業界では、
そのまま放置しておけば
霧散してしまう企業を立て直す力があれば、
その方が「多くの人にメシのタネを提供する」
教祖的役割もはたしますが、
富をつくる早道でもあるのです。
5分の1、10分の1で暴落した株を引き受けて、
業績が立ちなおったら元に復しただけで
巨億の金を手にすることができますから、
ベンチャーに負けないだけの魅力を持っています。

私は日本の再建屋の元祖は
二宮尊徳であると思っていますが、
「永守イズムの挑戦」を読みながら、
何回も二宮尊徳のやり方を思い浮べました。
徳川時代も殿様や武家たちは経済に無知でしたから、
自分たちで藩財政の立て直しさえできませんでしたが、
時代が変わっても、
政治家に日本政府の建て直しは無理ですね。
その点、事業をやる人は
永守さんに見習うべきところが多いと思います。


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