第1762回
上海に家を持つことがエリートのシンボル
上海が中国で別格の扱いを受けるのは、
東京が日本で別格の扱いを受けるのと同じです。
でも上海は中国の首都でありませんし、
どちらかと言えば、
大阪と似た立場におかれています。
戦前は日本でも政治と経済の中心地は分かれており、
大阪はいまの上海に似ていました。
それが東京に一極集中してしまったのは
経済が政治に呑み込まれ、
本社が東京に移ると、
経済の中心地も次第に東京に移ってしまったからです。
中国は国が広大なこともありますが、
政治の中心地と経済の中心地が分かれていて、
どちらかというと経済界の人たちが
政治に支配されるのを嫌って
首都と一線を劃する位置にとどまっています。
証券取引所も銀行群も意識して
上海にとどまっていますし、
新しい工業地帯も上海を中心とした周辺と
広州を中心とした周辺に拡がりを見せています。
お金はお金を生む地域を中心として動きますから、
そうした地域に人が集まり、
大都市は益々大きくふくらんで行きます。
そう言った意味では
一足先に工業化の進んだ広州と
そのすぐ先にある深 も
見る見る近代都市になりましたが、
改革開放が全国的スケールになって見ると、
経済発展の中心地は10年の歳月をかけて
どうやら上海に落ち着ました。
工業はもとよりのこと、
商業でも金融業でもサービス業でも
トップは上海に集まります。
地方で成功した企業家たちも
最後は上海で一旗あげることを夢見ます。
したがって上海にベースを持っていることが
地方の企業家たちの目標になります。
つまり全国で多少なりとお金の余裕のある人にとって
上海に家を持っていることは
エリートのシンボルであるという傾向が
見えてきたということです。
もしそうだとしたら、
上海の不動産は
中国のトップにおどり出ることは
先ず間違いありません。
既に値段でも上海が全国のトップを切っています。
日本人にとっても中国のエリートの仲間入りをした人は
上海に家の一軒も持てばいいということになります。
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