第1696回
沿海地域の不動産にそろそろ本番
たとえば、鉄の値段は
ことしだけで取引業者の間で2回、調整がありました。
需要が増えているのに、値段を据えおくと、
品物に不足が生じて供給が間に合わなくなります。
かと言ってドンドン値を上げて行きますと、
コストが高くなって
インフレの再来かということになります。
需要が価格の暴騰を惹き起す状態が続くのは
望ましいことではありませんので、
或る程度、値を上げて需要を抑える必要があります。
それでもいまの中国では
建設費が上昇していることもあって、
家がかなり値上がりをしています。
その趨勢を見て家を買う資金が更に流れ込んでくるので、
上海あたりでは短期間に
家の値段が倍まで上がってしまいました。
これを見て、政府は
建設業者にも住宅ローンにも
融資抑制の挙に出ていますが、
買いたい人が多いのに
業者の供給を抑えたのでは逆効果になってしまいます。
リクツから申せば
供給する業者にはドンドンお金を貸して、
住宅を買う人に貸す住宅ローンは
締めてかかるべきでしょう。
それでも住宅の値上がりを抑えきれないとすれば、
人々の生活水準が上がって、
もっとよい住宅を求める需要がふえているわけですから、
不動産の値上がりが起ったとしても
やむを得ないと考えるべきでしょう。
日本や台湾においても、
経済成長の続いていた間、
不動産の値上がりが続いたのですから
中国でそれが起るのは
当たり前のことと考えてよいと思います。
上海、北京、広州と
沿海の経済成長の最も激しく続いている地域では、
宏観調控(金融引締め)が続いているにも拘らず、
不動産の値上がりが続いています。
特に上海地域は
あっという間に倍になってしまいました。
それが不動産業者の業績に反映しないわけがありません。
私はかなり前に
中国の不動産株に注目するよう促したことがありますが、
変化は皆が忘れた頃に起ってくるものです。
そろそろ本番がはじまるシーズンに
さしかかってきたのではないでしょうか。
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