第1694回
石炭に今後、長く陽が当る動きが

日本の鉄鋼メーカーや
石油化学製品などの素材産業は
中国向けの需要のおかげで
いまのところホクホクしています。
景気は回復基調と考えても
必ずしも間違いではありません。
でもそれは目下、
建設中の中国の工場が完成するまでの話で、
コストの安い新規工場が稼動しはじめたら、
また別の展開になる筈です。
素材産業にも「製品安の原料高」という現象が
起ることが考えられます。

しかし、一旦、軌道に乗って走りはじめた
中国の成長経済が途中で脱線するとか、
顛覆してしまうことは先ず考えられません。
更にこのあとに印度の高度成長が続くことになれば、
更に10億人を越える消費市場が加わるので、
資源に対する需要は更にふえることが考えられます。
とすると、次に不可避的且つ恒常的に起ることは
資源の不足ということになります。

資源というと、すぐに石油や石炭や鉄鉱石を頭に浮べます。
木材や羊毛や食料など
人工でつくることのできるものも、
もちろん、その中に入ります。
いままでのところ、
資源国と工業国は分業になっていて、
資源国で工業国を兼ねているところは
ほとんどありませんが、
資源国の方が有利になるとすれば、
お金の流れに大きな変化が起ります。
さしあたり資源株が
メーカー業の株を追い越して
値上がりすることが考えられます。

たとえば中国の石炭株は
既にかなりの高値を呼んでいます。
その高値が長期にわたって持続することも
予想の中に入れていいと思います。
そういった意味では
中国の石油株も資源株の中に入りますが、
どうして石油株がさしてあがらないかというと、
ガソリンも電力もその料金が政府によって
コントロールされているからです。
その点、石炭は国際価格で輸出されていますから、
いまのところ、石炭の方が有利な立場におかれています。
ついでに申せば火力発電所のうち、
石炭の陸揚げにコストのかかる所は
売上げが伸びているのに、
利益はそれに比例して伸びていません。
取捨選択の必要が起っていると言ってよいでしょう。


←前回記事へ 2004年10月29日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ