第1563回
投資ブームでは説明しきれません

中国の経済成長が
予定された7%をオーバーして、
下手すると9%どころか、
10%をこえる可能性さえ出てきました。
あまり過熱化すると、
すぐにその反動がくることをおそれて、
人民銀行は金融引締めにかかり、
預貸率を引き上げたり、
公定歩合を引き上げたりしています。
そのあおりを食って、
中国株は香港のH株やレッド・チップもふくめて
下がりに下がっていますが、
こういう時はお金の儲かるチャンスでもあり、
また、一歩間違えると、
大損をするチャンスでもあります。

今回の過熱化景気は
投資ブームから起ったと説明されていますが、
投資ブームであることに間違いはありません。
しかし、なぜ投資ブームになったかというと、
投資を促すだけの消費の拡大が
見込まれているからです。
工業化にはずみがついて来ると、
かつての日本がそうであったように、
国民所得が年々、
大へんな勢いでふくらんで行きます。
そのかなりの部分が有効需要として
消費に向けられるのです。

私は89年にはじめて
中国大陸の土を踏みましたが、
今後10年で中国の国民所得は
平均して3倍になるだろうと予想しました。
1人当り平均300元だった都会地のサラリーが
2000年では1000元になりました。
2000年になった時、私は今後も10年で
再び3倍になると同じ予想を立てました。
や上海のような先端を行く大都市では
既に平均所得がその水準に達しているところもあります。
全国平均がそこに達するのには
まだ少し時間がかかりますが、
いまのスピードで行けば、
恐らく予想した通りのことが起るでしょう。
但し、へき地の農業所得は
そこまで達しないことが考えられます。

もしそうだとしたら、
可処分所得は1年ごとに
大へんな勢いで伸びます。
1000元までは食べるのがやっとでしたが、
それを超えはじめると、
年々消費がふえて、
本格的な消費経済の時代に突入するのです。
もう既にその時代を迎えたと言ってよいのです。


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