第1536回
付加価値の後を追えば金持ちになれる
仕事を探がす場合、
そのことに興味を持っていて、
面白いと思うことが第一ですが、
面白いと思う動機の中には
「仕事をして将来性がある」
「お金が儲かりそうだ」
「大事業になるかも知れない」
といった思惑ももちろん含まれています。
スポーツとか芸術畑の仕事のように
個人の才能にたよる仕事は別ですが、
事業に属する仕事は
採算を無視してはできません。
採算に乗るということは、
その仕事に付加価値があるかどうかということです。
付加価値とはそうした商品を生産したり、
売買したり、サービスすることによって
コスト以上の利益をあげられるということです。
かつて賃金と通貨の安かった日本で
工業生産に従事すれば
多くの付加価値をもたらしました。
トランジスター・ラジオでも、
家電製品でも造船でもカメラでも、
世界中の人の欲しがる工業製品をつくれば、
売値とコストの差額分が
日本に富をもたらしたのです。
ですから社会的に需要があって、
コストをオーバーした値段で売れる商品と考えて生産すれば、
事業として成り立ち、
事業家たちを裕福にしました。
でも付加価値は
いつも同じところにとどまっているわけではありません。
付加価値を生んだ条件が失われると、
付加価値そのものが大移動をはじめます。
別の事業に移ることもあれば、
別の国に動いてしまうこともあります。
生産事業からサービス業に移ってしまうとか、
生産事業そのものがよその国に移ってしまうとか、
少しの油断もならないのです。
しかし、そうした目の離せない変化が
新しいチャンスをもたらします。
いままでよかった事業が悪くなるということは、
チャンスがほかに移るということですから、
新しいチャンスのあとを追っかけて行くか、
もしくはチャンスが来るのを先廻わりをして
迎えることに成功すればいいわけです。
大切なことは付加価値がどこに動くかを
的確に把握することです。
付加価値の動く先にお金も動いて行きますから、
お金の後を追えば
しぜんとお金と縁があるようになります。
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