第1527回
中国株はいまが仕入れ時でしょうね

10年あまり前は
200億ドルの外貨準備にも事欠いた中国が
ことしは何と4300億ドルにも及び、
日本に次ぐ外貨準備高の大きい国になりました。
この3ヶ月は輸入が急速にふえて
貿易収支の赤字が続きましたが、
輸入の急増は
輸入原料の増大と高騰によるものですから
一巡すれば再び輸出増に転ずることは
目に見えています。
また株式資金の流入は減るどころか、
ふえる一方ですから、
人民銀行は景気の過熱化を恐れて、
第二次の預金準備率の引き上げに踏みきりました。
そのために、金融引締めが
もっと強化されるのではないか、
金利が引き上げられるのではないか
という臆測が市場を支配し、
ハンセン指数も、H株やレッドチップの株も
軒並み下げに入っています。

株価がドッと下がると、
投資家は浮足立って、
もっと下げるのではないかと不安になります。
でもいくら金融引締めをしても、
貿易及び直接投資によって
中国に流れ込んでくるお金の量と勢いが
弱まるわけではありませんから、
しばらくするとプールの中は
またすぐ一杯になって、
同じ問題で人民銀行が頭を痛めることになります。
国際収支のアンバランスを調節する方法は
為替レートを動かす以外にありませんが、
何回やってもお金の流れが多少緩やかになるだけで、
過剰流動性がすすむことも、
また高度成長が続くことも変わりがないでしょう。
1985年以後の日本で何が起ったかを見れば、
中国で何が起るかを予測することは
そんなに難しいことではありません。

となると、水量を増した川が
狭い谷間にさしかかって
水勢が増しただけのことで、
深い谷にさしかかったからといって
胆を冷やすことはありません。
中国株は4月、5月と揺れますが、
7月、8月になると
前半期の業績が数字になって発表されますので、
あとの半年がどうなるか、
大体の予想がつくようになります。
心配症の人はその時期まで待てばよいでしょうが、
いまその時に起ることを予想できる人にとっては、
よりどり見どりのチャンスと言っていいでしょうね。


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