第1523回
年功序列給はほぼ完全に崩壊しました

ヨーロッパの一流レストランに行くと、
20年前、30年前のギャルソンが白髪になったり、
髪の毛がうすくなったままで、
ずっと同じ仕事をしています。
もし日本のように年々昇給していたら、
レストランの経営が成り立たなくなるから、
いつまでも同じところで
勤めておられるわけがありません。

一方、年功序列給が常識になっている日本では
いつまでも同じ人を使っていると
サラリーが払えなくなるので、
サービス業には年配の人はほとんどおりません。
しばらくご無沙していたホテルに行くと、
ボーイはほとんど新顔になっていて、
顔見知りは3分の1もいなくなっています。
若いスタッフがいくらでも供給できる間は
それでもかまいませんが、
部長とか取締役に昇進できる人は別として、
クビにされた年配者は
一体どこに行くのでしょうか。
年功序列給が却って仇になって、
陽のあたらない夜の街で
隠花植物のように身を縮めて生きるのでしょうか。
年功序列給にも
そうした陰の部分が昔からあったのです。

その点、メーカー業はお金の儲かっていた間、
会社の利益で高給で使い物にならない連中を
養ってきました。
会社によっては社長を退任した役員を
会長とか相談役という名目で
給料もカットせずに
5人も7人も専用車つきで
養ってきたところがあります。
敬老の精神があって
必らずしも悪い話ではありませんが、
会社の業績が悪化して
その負担に耐えかねるようになると、
思い切った整理をしなければならなくなります。
そのうちに退職金を払えなくなる時がくるけれども、
払えるうちに一先ず退職金を払って
退職してもらうのが
本人のためにも会社のためにもなるところまで
追いつめられてきたのです。

退職金は1回きりですむけれども、
年功序列給は早急に改廃しなければ、
会社がもたなくなります。
定期昇給は廃止して、
出来高払い制、職務給、契約制、派遣社員の受け入れ、
フリーターやパートの採用と
それぞれの会社にふさわしい雇傭制度に
置きかえられるところまで来てしまったのです。


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