第1512回
通貨に鈍感になるほど金持ちになれる
株をやる人には
とても細かく計算する人がいます。
お金が少いほど
微に入り細に入り計算しがちですが、
細かく計算したからと言って
うまく行くわけではありません。
たとえば、日本で中国株や香港株を買う人は
円建てでやる人が多いようです。
折角、香港ドルや米ドルで値上がりしても、
円高では値上がり分がその分、
相殺されて目減りします。
だから売るに売れないと言って嘆く人がいますが、
外国の株をやる人は
円建てで発想してはいけないのです。
もちろん、円建てで持っていた方がトクか、
米ドルで売ってしまった方がトクか、
あるいは香港ドルで
大丈夫なのかという区別はあります。
将来は人民元も考慮に入れて
判断する必要が起ってきます。
人民元の切り上げがあったら
香港ドルで上場している中国株が
3月に噂が立っただけで
一せいに値上がりしましたから、
今後、実際に人民元の切り上げが起ったら
どうなるかは実証されました。
しかし、外国で投資をする人は
日本円だけで自分の財産を計算してはいけないのです。
折角、香港ドルで値上がりしても、
円が上がったのでは
帳消しになると思うかも知れませんが、
株を売ったお金でまた香港の株を買うのなら、
新しく買う株も同じように
安く手に入るのだから同じことなのです。
再び円安になって円建ての手取りがふえても、
次に買う株の円建てでも同じことになるから、
円安を待っても何の役に立ちません。
一旦、多国籍にまたがって
お金を動かすようになった人は、
それをいちいち日本円に換算して
自分の財産を計算するのではなくて、
それぞれの地域の通貨で
原則として計算するべきです。
人民元の場合は、切り上げられれば
値打ちの出てくる通貨ですから
人民元で財産がふえれば、
それだけトクをしたことになります。
しかし、ドルで計算すると逆のことになりますから、
何を規準にするかによって計算すればよいのか
わからなくなってしまいます。
いちいち気にしていたのでは
身が持たなくなってしまいます。
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