第1471回
中国の古道具屋その後のニュース
上海の仕事は意外にも
教育産業や情報産業にしぼられてしまいましたが、
北京ではサービス業と流通業からはじまりそうです。
以前に「中国の古道具に関心のある人いませんか」
と呼びかけたところ、
15、6人の方からすぐに返事がありました。
中国の昔の家具については
私が大陸に行くようになってから
ずっと気をつけていましたが、
商業のためではなく、
自分のコレクションのために
人を動かすようになったのは
昨年になってからです。
ちょうど日本でもデフレが本格化して
チープな生活が定着してきましたが、
いつも節約ばかりしていると
節約疲れをしてしまいます。
さして生活に困らない人は
少々お金を使ってもいいから、
自分の好きな物を食べたり、
好きな物を買いたいと思うようになります。
デパートの地下の食品売場が
スーパーの安い食品売場に負けないほど繁盛しているのは
そうした心理が働いているからです。
ちょうどそういう時期にさしかかっているので、
毛皮のコートは買わなくとも
家の中を豊かにする生活骨董に
心を動かす人はふえています。
高価な絵は売れなくとも、
古道具を欲しがる人や
健康食品を買う人はふえるのです。
そう考えたので、そういう趣味があって
新しい商売に切り換えたいと思っている人たちに
呼びかけました。
応募はたくさんいただきましたが、
工業製品と違って
生産できるものではありませんから、
店が多すぎると
注文にこたえるだけの自信がありません。
恐らく5軒が限度だろうと考えて、
特に熱心な人を北京に呼んで
実物を見てもらったり、
説明をしてもらったりしたら、
すぐに5人の人選が決まってしまいました。
どの人もとりあえずコンテナ一杯分注文されたら、
私の取り分までとられてしまうのです。
仕方がないので、
一番足繁く北京に通う私が
人より早く現物を見て
自分が気に入った物は先取りして
かくしておくよりほかありません。
それでも欲しい物を欲しいだけ蒐める自信はとてもありません。
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