第1463回
専門教育に使えるスペースがあります
どうして陸家嘴という上海金融センターの
ど眞ん中にある商業ビルの1階から4階までを
そのまま空けっぱなしにしてきたかというと、
それにはわけがあります。
1階はつい最近まで
銀行とドイツの電気メーカーが
オフィスとして使用してきましたが
契約期限がきて他所へ引越したので、
いま次のテナントを物色しているところです。
5階から27階まではオフィスですから、
ほとんど空室がありませんが、
2階から4階に入居者がなかったのは、
私の計算違いから起ったことです。
日本で丸の内あたりの大きなビルを見馴れてきた私は、
新しいビルには大きな講演会場や
展示場が必要だと考えて、
ビルの設計をするにあたって、
天井が高くて柱のないホールをつくるように指示したからです。
ところが、上海の経済発展ははじまったばかりで、
何百人も人を集めるような展示会や講演会や
株主総会をやる企業はまだありません。
大きなホールですから、
大企業に貸すとしても、
眞ん中は窓のない部屋ができて
オフィスには不向きなのです。
上海でこれくらいのスペースを必要とするのは
大型レストランくらいなものですが、
ビルはよごすし、ネズミは出るし、
うまく繁盛すればいいですが
万一、うまく行かないとなると、
家賃もためてしまいます。
あれこれ思案しているうちに
5年があっという間にすぎてしまったのです。
しかし、いつまでもそんなことを
やっているわけにも行かないので、
ことしは1階から4階までを文化事業、
教育産業、情報産業に使えないものかと
眞剣になって考えているところです。
いままで私は日本語の教室を使って、
簿記とか、税務とか、コンピュータとか、
あるいはデザインなどの専門教育をやれないものかと
色々な話を持ちかけられました。
うわの空できいていたので、
何一つ具体化しませんでしたが、
焦点を搾って教育、出版、インターネットといった
仕事専用にしたいので、
いいアイデアがあったらぜひおきかせ下さい。
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