第1461回
上海に大型書店を計画中です
中国で書局をひらくことができるかどうかについて
調査したことがあります。
もう5年も前のことで、
その時は上海にも北京にも
大型書店はまだできていませんでした。
というより本屋に並べる本そのものが
数えるほどしかなく、
しかも1冊が10元とか20元で、
どんなにたくさん売れても、
家賃にも間に合わない時でした。
台湾の場合は日本語の読める人がかなりいましたから、
日本語の本の輸入さえ許可になれば
何とか辻褄が合う計算ができましたが、
中国では日本語の読める人がそんなにいませんから、
在留日本人か、どうしても日本の文献を必要とする
デザインとか、ファッションとか、
科学技術のエキスパートを相手にするよりほかありません。
しかも外国書籍の輸入権は
政府の機関が独占しており、
そこを通して輸入するだけでも
3%も5%も眠り口銭をとられてしまいます。
結局、ソロバンに合わないと観念して
実現に至りませんでしたが、
あとで浦東の森ビルの中に
ささやかな日本語の本屋がお目見えしました。
あれから長く行っていないので、
いまどうなっているか知りませんが、
日本人だけを相手にしていたのでは
タカが知れているでしょうね。
しかし、あれから間もなく
「書城」と名のついた大書店が上海にも北京にも出現し、
あッという間に次々と新刊書が出版され、
本を買う人の行列ができるとなると
話は違ってきます。
教育とマスコミは
中国政府が神経をとがらせている分野ですから、
こちらもかなり神経を使う必要がありますが、
文化や経済生活を正しい方向に導く上で
つい片棒をかつぎたくなる仕事です。
お金にならないことは
台湾で20年以上もやってきたので、
よくわかっていますが、
本屋にあんなに人が集まるのを見てしまった以上、
ただじっとはたで見ているわけには行かなくなりました。
できるかどうかわかりませんが、
上海浦東の陸家嘴にある
うちのビルの1階500坪を使って
いま書店をひらくプランをたてていることです。
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