第1453回
上海、広州に一極集中した不動産株も

いま中国政府は
不動産が急騰することをおそれて
不動産会社への融資をさしとめたり、
マンションの青田売りを
禁止したりする挙に出ていますが
政府が禁止したり干渉したりする業界は大抵、
政府の意表に反したことが起りつつあると思ったら
間違いないでしょう。

10年前に中国経済が発展したら
土地不動産が値上がりするだろうと考えて
香港、台湾、シンガポールの華人企業が
北京、上海、広州などの大都会で
不動産投資に走りましたが、
その時のブームは短命に終わりました。
しかし、工業化が進んで
国民所得の向上が軌道に乗ったのと、
貿易黒字の定着による過剰流動性の発生によって、
今回はいよいよ本番になった感じです。
なかでも先頭に立って
不動産の開発に腰を入れてきたのは香港資本で、
さんざん痛めつけられた分だけ
足腰が強くなっていますから、
一旦、ブームに乗れば、
想像をこえる強靭な動きになることが考えられます。

私は香港を代表する中国不動産株として
恒基中国と新世界中国をあげましたが、
この二つの銘柄は
著名な財閥の子会社である分だけ
全国各地から声をかけられ、
その守備範囲も全国に及んでいます。
それに対して浦東にトムソン・ゴルフ場を持つ湯臣集団は
浦東に一極集中しており、
全国で一番値上がりの激しい上海でしか
事業を展開していませんから、
最も陽の当る位置におかれています。
また天安中国はついこの間
1株0.15ドルだったのが
早くも0.30ドルを越えようとしていますが、
早くから中国進出していますから、
優良資産をたくさん抱えています。
10株を新株1株にする旨公表がありましたから、
やがて新株1株が3ドルということになりますが、
一番安いときは0.09ドルまで下がっていたのです。

ほかに広州の不動産と高速道路を手がけている越秀投資の株を
最近、モルガン・チェイスが投信に組入れて
注目を浴びましたが、
投信がしきりに不動産株に食指を動かしはじめたので、
どうやら雪解けがはじまって
長い冬が終ろうとしているようです。


当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2004年3月2日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ