第1452回
かつての高値を調べてみるのも一興です
上海や北京や広州で
不動産投資をやっている企業には
大陸の会社もありますが、
香港や台湾やシンガポールの会社もあります。
不動産投資で一番経験もあり、
良質のビルやマンションを提供しているのは香港の業者です。
その香港の業者でも歯がたたなかったのは、
大陸の不動産会社はいずれも国営で、
金利のかからないお金で
採算を無視して競争を仕掛けてくるからです。
半分建てたまま夜逃げした海外からの進出企業も
たくさんありました。
私などはプロではないので
何とか工事を完成させることはできましたが、
あとを続けるだけの気力は失ってしまいました。
その点、香港の業者はプロだし、
株も上場していますから、
苦しみながらもあとを続けて今日に至っています。
そのために株価が
10分の1を割るような目にあいましたが、
土地の安い時に政府と契約して仕入れた
広大な土地がありますから、
含み資産には目を見張りたくなるようなものがあります。
家を建てても売れなかった頃は
何の役にも立ちませんでしたが、
青田売りでもすぐ完売するようになると、
大へんな財産になります。
香港で上場されている恒基中国と
新世界中国の2つの会社が
同時に巨額の赤字を計上して無配を発表したのは、
これまでくりのべてきた不良資産を
一挙に処理しても充分、やって行けるだけの自信が
ついたからだと見ることができます。
既に4ドル台と2ドル台と新高値を切っていたのが
瞬間的に10%から20%も値を落しましたが、
売り物がなくなると、
前の高値をこえるようになりました。
安値の頃に比べると
信じられないような新高値になりましたが、
8億ドルの赤字を引いても、
2ドルの株価で含み資産が12ドルという内容ですから、
眠っていた不動産が
仕入れ値段の何倍になって目を醒ますことになったら、
いまの新高値ははたして高いことになるのか、
安いことになるのか。
このへんのところの判断が
運命の分かれ目になると言ってよいでしょう。
恒基中国の高値がかつていくらであったか、
また新世界中国の高値がかつていくらであったかを
調べてみても面白いんじゃないでしょうか。
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