第1434回
メーカーがこけたら他の業界もこける

どの業界にもその業界をリードする大企業と
その後塵を拝する
その他大ぜいがひしめいています。
大企業の方が業績もよいし、
資産内容もよいし、
社員に対する福祉も行き届いているので、
同じ就職をするなら大企業がいいというのが
世間一般の常識でした。

このことに何の間違いもありませんが、
いま日本に起っていることは、
産業界自体に大変動が起っているので、
業界をリードする大企業でも
必らずしも安泰ではないということです。
さきにも述べたように、
大量生産、大量販売を目指す工業社会に
地すべり的変動が起っているので、
コスト・ダウンに対応できない企業は大小に拘らず
淘汰の対象になってしまうようになったのです。

その上、デフレが国内だけにとどまっている間は
まだいいのですが、
世界的規模にまで拡大すると、
10年前から日本国内だけに起っていることが
全世界を風靡することが考えられます。
家電以下の家庭用品や日用雑貨は
既に生産基地が外国に移ってしまいましたが、
もし自動車とかIT関係でも同じことが起ったら、
大企業で働く人の大半が
日本人でなくなってしまいます。
もしくは一番お金を稼いでくれるところが
日本でなくなってしまいます。

すると、これらのメーカーを相手にしてきた
銀行や保険会社も、
メーカーの儲けの分け前にあずかることが
できなくなりますから、
収入が様変わりになり、
昨今の銀行業界に見られるように
縮小と整理を余儀なくされてしまいます。
それでも大半の人が日本国内に住んでいるのだから、
人を相手の商売は残っているじゃないか、
と言う人がいます。
確かにその通りなんです。
でも土曜、日曜でもガランとして
お客の姿の見えないデパートの中を歩いて、
これを往時の成況に充ちた状態まで
フィルムを逆にまわすだけの自信を持った
デパートの経営者が一人でもいるでしょうか。
工業社会が左前になると、
流通もサービスもそれに右へならえをして
元気を失ってしまうのです。


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