第1424回
人民元1元が香港ドル1ドルへ?

香港の投資コンサルタントたちのアドバイスを裏切って、
香港の中国株は年が明けてからもずっと
強気の動きを続けています。
株のエキスパートと言われる人たちは
大勢の動きに敏感ですから、
自分たちがいままで主張してきたことは
さらりと水に流して、
いまでは強気一色で、
H株やレッド・チップの後押しをやっています。

綱引きで行ったり来たりの間は
バランスがとれていますから安心ですが、
どちらか一方だけに引っ張られると
ちょっと心配になりますね。
この調子ですすめば
「人民元の切り上げ」に対する要求は
一段と嶮しさを増すようになると思いますが、
それに対する中国政府の対応は2つ考えられます。
直ちにアメリカの要求を容れる代わりに、
先ず第一に輸出入のアンバランスを是正するために
アメリカからの輸入を
政府主導でふやす努力をする。
米中関係もかつてないほど良い方向に向っているのだから、
アメリカ側も禁輸の対象になっている
戦略物質の解禁に協力してもらいたい。
もう1つは1ぺんに
為替の自由化をするわけには行かないが、
人民元の対外レートの浮動幅をもう少し拡げる。
その第1段階として、
人民元の対米ドル・レートを現在の8.27元から、
香港ドルと同じ7.77元まで拡げる。

何もやらないよりは
何かやっている必要があることは
政府もよくわかっていることですから、
人民元の切り上げの第1段階は
香港ドル1ドル=人民元1.06元を
香港ドルの対米レートに鞘寄させることだと思います。
香港ドルと人民元を1つにしてしまうことは
中国政府にとって望ましいことでもあるし、
それでしばらく身をかわすことができれば、
課題を2006年、即ちWTO加盟から5年目まで延ばせる、
假に延ばせなくとも
しばし小康を得ることができると
考えるに違いありません。

はたして私の推測通りになるものかどうかはわかりませんが、
ことし中にそれに近い動きが
出てくることが考えられます。


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