第1352回
輸出メーカーより独占メーカーの株を狙え

話がもとへ戻りますが、
人民元が切り上げになったら、
中国の経済にどんな影響があるか、
お考えになったことがありますか。
人民元が切り上げになったら、
輸出が困難になりますから、
中国経済に震度6か、7くらいの衝撃をあたえると
お考えになる方もあるかも知れませんが、
中国経済が勢いづいている時ですから、
ショックはあっても潰滅的な被害にはなりません。
むしろ一段とコストダウンに力が入って
体力がつくと考えた方がいいでしょう。

但し、たとえば1ドルが8.27元だったのが
7.2元とか、7元まで切り上がったら
輸出業者は利益がそれだけ減少します。
売値を外貨で据えおいたらまるまる利益が減りますし、
値上げをすれば、取引を断わられたり、
取引額を減らされたりしますから、
いずれにしても商売が難しくなることは避けられません。
したがって輸出に大きなウエイトのかかっている
繊維メーカーや家電メーカーの株は
避けた方がいいことになります。

反対に輸入に大きなウエイトのかかっている企業や
国内市場向けが主で
且つブームになっている業種の株には
今後も続いて陽が当ります。
たとえば、ガソリンは
既に中国の主要輸入品になっているし、
マイカー・ブームの爆発的な人気によって
ガソリンの消費量がふえれば、
石油会社と石油の輸送をする海運会社を大きく潤おします。
ただ石油は国営事業の中でも
重要な位置を占めており、
資本金も莫大なものですから、
何事も政府の意向に大きく左右されます。
それでも利益が抜群の延びを示せば、
最近の石油株の株価に見られるような動きが起ります。

個人投資家の狙い目ということになったら
海運や港湾の仕事をやっている銘柄の方に
目を向けた方が酬いられるでしょう。
なぜならば、人民元の切り上げにかかわりなく、
中国の貿易額は年に30%近い伸びを示しており、
それらの仕事は独占もしくは寡占されていて、
人民元の動きに左右されることが少ないからです。


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