第1315回
安く売る工夫より高く売る工夫

物がたくさんできすぎる時代ですから、
安くないとお客を魅きつけることができません。
いきおい安値競争ということになります。

でも安値競争に耐えて生き残るのは
容易なことではありません。
どんな企業だって原価を割って
物づくりをいつまでも続けることができないからです。
やむを得ず、安い原料に切り換えたり、
コストを安くできる外国に工場を移したりしています。
それで間に合えばいいのですが、
原価を下げれば、
「安かろう悪かろう」ということも起ります。
消費者が欲しがっているのは
安いということだけではありません。

たとえば、デパートの地下の食品売り場で売られている
生鮮3品(おかずの類も加えると4品)は
スーパーより高い値づけであることは誰でも知っています。
それでもスーパーに負けないくらいハヤっているのは、
デパートの方が高級品を売っているからです。
同じ物なら安い方がいいにきまっていますが、
どうせ食べるなら、少々高くてもいいから
口を楽しませてくれる上等な物を選びたくなるのも
消費者の心理です。

安値競争で限界に達して底を打てば、
いつまでも安値のあとを追うような商売は
やっておられません。
ヨーロッパでもカルフールのような安売りスーパーが
依然としてお客を呼んでいますが、
それ以外の業種では安値競争はとっくに卒業しています。
そんなことをいつまでもやっていたら、
店じまいをするよりほかなくなるからです。

日本はデフレ先進国ですから、
早くからデフレに見舞われ、
デフレが定着していますが、
家電製品の安売り専門店はともかく、
デパートやスーパーでも
個性化、差別化に一生懸命力を入れるようになりました。
隣りより少しでも安く売ることよりも、
どうしたら隣りより1円でも高く売れるかを
工夫する段階に入ってきたのです。
この方が智恵を必要としますが、
目指す方向が違いますから、
袋小路に追い込んでしまうことはありません。
あなたも方向転換をして見たらいかがですか。


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2003年10月16日(木)

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