第1269回
この2ヵ月に中国株の動意がある?

私はいま「グローバル化時代の資産運用」
と題してマネー・ジャパン誌に
中国株投資についての連載をしています。
10月に完結したら
「四季報」を発行している東洋経済新報社から
単行本として出版する予定になっています。
連載前はアジアの他の地域の株にもふれる積りでしたが、
結局、中国株の生い立ちから
七癖にふれるのが精一杯だったので、
単行本にする時は
「これだけは知っておきたい中国株の基礎知識」
というタイトルにしようと考えています。

いま出ている中国株の本を見ると、
「早くから中国株に注目していたのは
邱永漢さんくらいなものだった」
といった意味のことがよく書かれています。
早くから注目していたということは、
早くから中国株で大儲けをするチャンスに恵まれたというよりは、
人より早く失敗する経験を数々積んできたということです。
そうした失敗の経験を皆さんに披露して
同じ愚をくりかえさないように
というのが私の執筆の動機です。
株式投資は今日、明日を争うことではなく、
いつからでもはじめられることですから
10月になってからご覧いただいてもよろしいのですが、
これだけ人民元の切り上げが
スケジュールに載るようになると、
10月までの間に中国株が
動意を示す可能性があると思うようになりました。

中国がWTOに加盟してから
5年が1つのくぎりになって
中国の貿易上の色々の制限を緩和したり、
通貨の自由化や変動相場制が
実行のスケジュールに載るとすれば、
残された時間はあと2年あまりしかありません。
その間に人民元の切り上げがあるかどうか、
断定的なことは言えませんが、
その前に株高が先行するとすれば、
10月以前にその動きが見られる可能性があります。
つまり自分の本が出る前に、
皆さんに注意を促しておく方がいいと思いなおしたのです。
前宣伝みたいなことになってしまいましたが、
この2ヵ月にもし中国株が動意を示すことが起ったら、
日本で起った円高前の株高と同じことが
中国でも起ると考えていいのではないでしょうか。


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2003年8月31日(日)

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