第1266回
平価切上げより株価の高騰が先行します

かつて日本でも円が1ドル80円という
最高値をつけたことがあります。
しかし、それに至るずっと前に
株が3万9千円寸前という最高値をつけています。
為替レートの切り上げよりも
株高の方が先行するのです。
どうしてかというと、
安い為替レートは産業界に繁栄をもたらし、
株価が一足先にそれを反映するからです。

多分、中国でも経済の実力に比して
為替レートがアンバランスに安い水準におかれている間、
輸出もふえるし、海外からの資金流入もふえ続けるでしょう。
そうなると、企業の業績もあがるし、
株価も新高値を更新します。
SARSのおかげで、一時は経済成長に
影が射すかに見える場面もありましたが、
観光事業や流通業がかなりの損害を受けた半面、
生産事業は供給の停滞をおそれて
逆に増産に踏み切ったので、
輸出にはむしろ加速度がかかり、
恐らく年間を通じて成長率は
予定を下廻ることはないでしょう。
輸出に拍車がかかるとなると、
その分、外貨はふえ、それが株価を押し上げます。
いま人民銀行は外貨を1日
3億ドル買わないとならない立場に
おかれていると言われていますが、
その分、毎日、人民元の発行高がふえますから、
かつて日本で起った過剰流動性が
中国の通貨市場にも起ります。
日本では株価と地価の高騰を伴う
資産インフレが起りましたが、
中国では不動産業者への融資は
既にきびしく制限されていますので、
過剰流動性の圧力は
株式市場に一極集中することが考えられます。

いまのところ、中国の株式市場に
そうした動きはまだ出てきていません。
株価平均も一進一退で、
ジリジリしている人の方が多いと思います。
しかし、ウォーレン・バフェットのような
世界屈指の手堅い投資家も
目をつけるようになったのですから、
ほどなく中国株に
新しい動きが出てくると見ていいでしょう。
いま中国で株を買うと、
株価の高騰と人民券の切上げという
二重のチャンスに恵まれる可能性があります。
B株と香港H株、レッド・チップの中に
既にその鼓動が感じられます。


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2003年8月28日(木)

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