第1263回
日本企業の中国進出は激増の方向へ

鉄の加工をしたり、
ガラスやセメントの生産過程で
熱処理をするのは産業界の常識であります。
また部屋の温度を一定に保つための空調が
住宅建設に不可欠のものであれば、
温度の調節だけで大商売になってしまいます。

実はそうした利用法だけでなく、
食品の保存からゴミの処理に至るまで
温度が大きくかわっているということになると、
温度を利用した産業開発の可能性は
まだまだ未開発の分野に属するといってよいでしょう。
たとえば水蒸気を利用して
コーヒーの焙煎や食品の殺菌ができるなら、
水蒸気を使ってゴミを焼却したり、
高熱処理を必要とする金属加工も
できるのではないでしょうか。
もっと大風呂敷をひろげれば、
あまりお金のかからない発電装置をつくることも
可能になるのではないでしょうか。

いまの日本では
物を大量に生産するアイデアを思いついても、
世間が必要としている量以上の物をつくっても
滞貨の山になるだけですから、
メーカーのプラスにはなりません。
メーカーにとって重要なことは
同じ製品を安くつくるためには
どうしたらよいかということと、
いままでの常識を覆するような
新しい技術や機能が取り入れられないか、
ということです。

1つ目はコストの安いところに
生産基地を移すことであり、
日本の大半の企業が次々と
中国に進出しているのを見てもわかる通りです。
もう1つは日本人の職人芸とも言うべきもので
日本が工業生産によって高度成長を遂げた過程で、
日本人が発案して身につけ、
生産に応用した生産のノウハウです。
このノウハウを武器に
いまなお国際競争に
打ち勝って行ける工業製品もありますが、
それは日本にあって猛烈な勢いで
「世界の工場」への道を突進している
いまの中国に欠けているものです。
間単に言えば、持てる物を出し合わせて協力をすれば、
世界で競争のできる生産ができるということです。
鉄、特殊鋼、自動車、製紙といった分野に
日中合作の可能性は大きく拡がっていますね。


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2003年8月25日(月)

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