第1226回
水道の栓はしっかり締めませんか
高速道路とか、郵便事業のような事業体なら、
民間に払い下げたり、
民間企業に経営を委託する方法があります。
でなければ、民間と競争させて
合理化を促す方法もあります。
でも行政を担当するお役所では、
まさか2つつくって競争させるわけには行きませんから、
無駄遣いを防ぐために
予算のパイプを細くするよりほかありません。
このへんのところは万国共通の頭痛のタネですから、
どこの国でも「小さな政府」が提唱されています。
しかし、いくら小さく、小さくと言っても、
役所に新しい仕事がふえる度に、
「お金はどうするんだ」という話になって、
予算はいつの間にか、またふくれあがって行きます。
この傾向に歯止めをかける方法は
多分、1つしかありません。
徴税の仕組みを変えて、
税金がとりにくい制度になおすことです。
たとえば、日本では
サラリーの源泉徴収制度を採用しているので、
毎月のサラリーは源泉税をさしひいた
手取り金額が支給されます。
明細票にはいくら税金をさしひかれたか書いてありますが、
税額まできちんと頭の中に入ったサラリーマンはおりません。
しぜん、税に対する関心がおろそかになってしまいます。
それが商売をしている人や
私たちのような自由業者になると、
1年に1回、3月に納税申告をしなければなりません。
そのためには予定申告もしなければなりませんし、
申告時にいやでも自分がいくら税金を払ったか、
頭の中に叩き込まれます。
「こんなにたくさん税金を払っているのに、
政府は何であんなくだらないことに税金を使うんだ」
と文句の1つも言いたくなります。
もしサラリーマンの税金も申告制にして、
納税者の1人1人がそういう目で
政府の税収や予算をチェックするようになれば、
政治家の選び方も
今よりはもう少しましになるかも知れません。
少くともお金の使い方には
きびしい見方をするようになるでしょう。
水道の栓をしっかり締めるのと、
そうでないのとでは、
無駄に流れる水の量は大きく違ってきます。
ですから水道の栓はしっかり締めることにしませんか。
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