第1189回
デフレがこのまま定着するわけ

デフレをとめられる人が1人もいないのに
デフレをとめることを政治目標にするのは
おかしいと思いませんか。

構造改革をすると言っていますが、
多分、眞っ先に構造改革をしなければならないのは政界でしょう。
でも、それができないことは誰でも知っています。
だから誰もそれを言わないのです。
ならば肝心なことは後廻しにして、
銀行とか高速道路とか郵便局からやればできるのでしょうか。
いずれ掛け声ばかりで、
国の中の仕組みが変わるより
内閣の変わる方が早いといったことも起り得ます。

それはいまにはじまったことではありませんから
仕方がないとして、
なぜデフレがとめられないかというと、
デフレを引き起す原因になっている
3つの新しい流れのうち
どれ1つをとってもとめられそうなものがないからです。
先ず先進国で物ができすぎることをとめられますか。
その方法は2つしかありません。
1つはメーカーどうしで協定をして
物づくりを割当制に変えてしまうことです。
計画経済ならいざ知らず、
自由経済の下でそんなことができないことは
誰でも知っています。
もう1つは世界中が大戦争をして
お互いの生産設備を破壊してしまうことです。
これは不可能であるばかりでなく、
望ましくないといとすれば、
1つ目は落第ということになります。

2つ目は「ベルリンの壁」をもう一度世界中に張りめぐらして、
モノもカネもヒトも国境をこえて行き来することを
さしとめることです。
SARSの伝染さえうまく喰い止められない時代に、
歴史の歯車をもう一度逆回転させろと言っても
無理なことは子供でも知っています。

では家の中が倉庫みたいに
ぎっしり詰めになってしまった人々に
もっと物を買えとすすめることができるでしょうか。
また腹一杯になったヒトに
もっと食えとすすめることができるでしょうか。
ちょっと待って下さい。
これは工夫次第で少しはできるかも知れません。
もっと広い家に住めとか、
もう少しお金のかかる高級な物を食えと言えば、
少しはお金がまわる可能性はあります。
でも政府がそれをすすめている話はきいたことがありません。


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2003年6月12日(木)

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