第1172回
勤労意欲を促す税率が大切です

収入をふやすために人は一生懸命働きます。
もしくは一生懸命働くと収入がふえます。
すると税務署が待ち構えていて、
その人の所得に応じて税金をとります。
その税金が累進課税になったのは、
公共の費用はそれぞれの人が収入に見合う形で
応分に負担するものだという考え方が普及したのと、
高額所得者から税金の形でより多く召しあげるのは
富の平均化に役立つという思想を
人々が受け入れたからです。

しかし、収入の多い人に
あまりにも苛酷な重税を課すると、
人々の労働意欲を抑止することになって
却って経済の発展を妨げるという現実にぶつかって、
アメリカを先頭に先進国では累進税率を引き下げたり、
配当金や不動産など資産家に対する特例を設けたりして、
行き過ぎを調整するようになりました。
日本の税制もこうした時流に沿って、
一頃に比べたらかなり改善されましたが、
諸外国に比べると依然として
まだまだ税金の高い国に属します。

私は日本のほか、中国、香港、台湾を見比べていますので、
ただ脇目もふらずに働いて収入をあげるよりも、
税金の安い国ではできるだけ収入をあげ、
税金の高い国ではなるべく所得を発生させないようにするのが
効率的だとつい考えてしまいます。
20%の源泉ですむなら、
私も日本で一生懸命働いて、
収入をあげるように努力しますが、
同じ収入に50%も税金をかけられるのなら、
働くのはやめてお金を使う方に
まわろうかという気になります。

収入をあげるために努力するのは大へんですが、
収入を減らす努力なら、
そんなに難しくありません。
現に私はことしになってから
自分の収入を3分の1に減らしました。
減らしても生活には困りませんが、
払う税金は3分の1に減ります。
税収はふえるのではなくて逆に減ってしまうのです。
でも国はそんなところまで
いちいち構ってなんかいないでしょう。
以上、申し上げたように
税金は高ければいいというものではありません。
一体、日本の国はこれからどうする積りなのか、
心配になってしまいます。


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2003年5月26日(月)

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