第1171回
税率は20%くらいまでなら抵抗感は少い

税金はいくらくらい払うのが適当だろうかと時々考えます。
昔は10分の1税といって
10%が王様の取り分というのが通例でした。
でも累進税制が適用されるようになると、
収入の多い人ほど高い税率をかけられるようになり、
戦後の日本では最高が国税75%、地方税18%で
合計して93%という時代がありました。

松下幸之助さんは10億円所得があって
9億円も税金に持って行かれ、
手取が1億円しか残らなかったそうですが、
新聞記者に感想をきかれて
「政府のために10億円稼いだので
ご褒美として1億円もらったような感じです」
と答えていました。
こんな高率の税金は日本以外のどこにもありません。
国中でみんなの所得が低かった頃は、
「ざまあ見ろ」と喝采する人もありましたが、
さすがにそれでは理屈に合わないことが
認識されるようになり、
いまでは地方税もあわせて
最高50%まで引き下げられました。

それでも国や地方自治体に
やってもらっていることと見比べて
税金は高すぎると私は思っています。
どのくらいが適当か、世界中あちこちとびまわって、
また実地に外国に住んで見て、
低所得者には一定の控除を認めて、
それを超える人は地方税もあわせて
10%と20%のニ種類くらいだったら、
多くの人が納得するんじゃないかと思いました。

私が10年間住んでいる香港は
一率15%の所得税ですが、
平均より収入のある人は20%くらいまでなら
許容範囲内だと私は考えています。
日本の場合は非住居者に対する税率が源泉で20%ですから、
日本に住まないで日本で得ている収入に
20%の税金を払うことに不平はありません。
10年間ずっと20%の税金を払ってきましたが、
最近の日本は税収不足で
よほどピンチにおちいっていると見えて、
「あなたの日本における収入が多すぎるから、
居住者と見なします」と一方的に宣告され、
修正申告を要求されましたので、
私も50%納税者の仲間に入れられてしまいました。
改めて税率はこれでいいのかと
考えさせられる立場におかれたところです。


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2003年5月25日(日)

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