第1064回
税理士は縮少再生生産業種ですね

世の中が変わっても、税制はなかなか変わりません。
税制や税法は政治家やお役人のつくるもので、
どうしても時代遅れになってから漸く変わるものなのです。

相続税もそうですが、
法人税や土地税制はもっと敏速な対応が必要です。
私は地価を抑えたり、土地税制を緩和したりしないと
大へんなことになると主張し続けてきましたが、
誰も耳を貸してくれませんでした。
景気が悪くなってからは、交際費のワクを拡げたり、
法人税率を諸外国並みか、
それ以下に思い切って下げないと、消費を刺戟できないし、
資本の海外流出の歯止めがかかりませんよ、と警告しましたが、
選挙資金とかかかわりのないことには
どの政治家も鈍い反応しか示しませんでした。

いよいよデフレが本格化し、
工場の海外移動が大規模化すると、
山なす不良債権に気をとられて政治予算の不足に悩むようになり、
減税の必要に追われながら、
歳入不足を補うための所得免税点の引き上げや
消費税の増税のアドバルーンをあげにかかっています。
どの対策も景気の浮揚に役立たないことは
景気底打ちのきざしさえみえないことでも
おわかりの通りですが、
死物狂いのリストラにも拘らず、
大企業は軒並み天文学的数字の大赤字を出しているし、
資本の海外移動はとどまる様子もありません。

企業の合併や再編成もすすんでいますが、
私たちのような家族会社でも3軒あった会社は1軒にと
整理を余儀なくされています。
高度成長期なら毎年のように新しい会社をつくり、
その度に税理士の先生の仕事もふえましたが、
いまでは減らす一方ですから、
合併や廃業のための当面の仕事はあります。
でもそれが終わったら、
税理士の仕事はだんだんなくなってしまいます。
とりわけ、有名な税理士の先生の下で修行をして将来、
独立しようと考えている若い税理士や
税理士のタマゴたちはどうする積りでしょうか。
専門家だからと言ってメシのタネにこまらないだろうと
安心してはおられませんよ。


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2003年2月7日(金)

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