第915回
これは経済視察より美食の旅ですね
久しぶりに広州に行きます。
深と珠海は経済特区なので、
海外からの進出企業だけでなく、国内の優秀な企業も集まっており、
時々覗きに行かないと、こちらが時代遅れになると思って、
ここのところ何回か足を運びました。
広東省の省都である広州市は、
私が書いた食物エッセイ「食は広州に在り」の本家本元ですが、
すっかりご無沙汰してしまいました。
香港ももともとは広東省の一部でしたから、
人口750万人の香港住民はほとんどが広東人で、喋る言葉も広東語です。
香港は英国の植民地になり、広州は早くから外国人に港をひらいたので、
広東人は上海人と並んで中国人の中で最も国際感覚を持っております。
その分だけ産業発展の最先端を走ってると言ってよいでしょう。
上海より12年早く経済特区をつくって外国資本を入れた関係で、
広東省は近代化も進み、
所得水準でも上海と一・二を争っているところです。
面白いことにふところが温いと、料理も発達すると見えて、
香港が一足先に中華料理のトップを切りましたが、
中国国内では、北京料理、上海料理、四川料理、広東料理
と言っていたのがいまでは、
広東料理と上海料理がトップ争いをするようになりました。
大陸の経済発展がはじまると、
先ず香港の広東料理が大陸の大都市に進出して一世を風靡しましたが、
最近では上海料理の復調にめざましいものがあり、
どちらがどちらとも言えないようになってしまいました。
投資視察団の主な目的は
あくまでも経済の発展ぶりを見学に行くことですが、
北京、上海、広州、香港というコースは
食べ物に興味を持っている人なら見逃せないところですね。
11月13日(水)北京へ出発、
11月20日香港から日本に戻る7泊8日の旅ですから、
食いしん坊の人はぜひ都合をつけてご参加下さい。
12月に入ると大陸は寒い季節になりますが、
これが今年最後の旅行になります。
邱永漢アジア交流センター(TEL 03-3400-9393)に
申し込んでいただければ、案内書をお送り致します。
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