第831回
日本語のできる人材の在庫はありません

中華料理のチェーン店に感心を持つ人が
一番たくさんいましたが、
その次に多かったのが
中国で人材派遣業に従事したいという人たちでした。
既に上場している人材派遣業者からも
何社か問い合わせがありましたが、
個人でもそういう職場で働きたいという人もあれば、
独立してそういう仕事に携わるには
どうしたらよいかという質問もありました。
また上海や北京で既に小さいながらも独立している人から
どうすれば一緒に仕事ができるでしょうか
という申し出もありました。
私もできる限りそういう人たちにお会いして、
仕事の組み立てをどうするか考えているところです。

そもそも人材派遣を思い至ったのは、
グローバル化がすすめば、
必然的に人の交流が盛んになると踏んだからです。
老齢化社会が更に一段とすすめば、
寝たきり老人の世話にしても、
日本人だけでは間に合わなくなることは目に見えています。
跡継ぎのいなくなった農村で、
土地を荒れるに任せておくことだってできないでしょう。
そんなことを心配するのはもっと先のことだとしても、
とりあえず日本の工場はドンドン大陸に移っています。
3千人や5千人の工員を使う工場もザラになっています。

そういう進出企業がほとんど毎週のように
上海や北京の永漢日語に尋ねてきて、
「日本語のわかる人を
 30人ほど世話していただけませんか」
とか
「日本語がわかって
 日本の会計制度もわかる会計がほしいのですが・・・」
と言ってくるのです。
それに対する学校側の答えは
「日本語がわからないから、
 日本語を習いに来ているのです。
 日本語がペラペラ喋れるようなら、
 あちこちから引っ張り凧で、
 いい給料でとっくの昔にいい会社に就職していますよ」
というわけで、人材の在庫は全くありません。
どうしても欲しいなら、注文生産には応じます。
でも、素材の仕入れをするところから一緒にやらないと
製品に仕上げることができません。
人材の注文生産は工業生産よりも
ずっと骨が折れる仕事です。
何しろ生き物を扱うのですから。


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2002年6月19日(水)

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