第809回
中国人観光客のふところを狙え

中国の経済の発展は
日本の後を追っているようなところがあるので、
この次、中国で何が起るか、
日本人にはだいたいの想像がつきます。
たとえば、ふところ具合がよくなると、
マイカー・ブームになったり、
マイホーム・ブームになったりします。
同じように海外旅行ブームにもなります。

日本でもそうでしたが、
海外旅行が禁じられていた間は、
日本人は外国に行けませんでした。
一旦、渡航が自由になると、
その分堰を切ったように
ドッと海外に行く人がふえます。
徳川幕府は鎖国をやったくらいだから、
日本人はもともと旅行好きな国民に違いない。
うっかりすると、日本国中の人がみな外へ出てしまって
統治する国民が1人もいなくなったら
大へんだとあわてて鎖国をしたんだろうと
私は冗談を言いました。
海外旅行は年々ふえ続け、
不況にも拘らず、とうとう年に1千6,7百万人にも
及ぶようになってしまいました。

もし中国で同じことが起ったら、
その10倍の人が海外旅行に出かける時代が
来るということになります。
いまは国の旅行者だけで飛行場がはちきれそうですが、
この上、海外旅行者が加わったら、
離着陸の頻度は羽田どころの騒ぎではなくなります。

既にその兆候は随所に見えていて、
パリの凱旋門のすぐ近くにあるルイ・ヴィトンの本店では
かつて日本人が行列をしていましたが、
最近は中国大陸からの旅行者に変わったそうです。
あそこでは1人何点までと買い物の制限をするので、
日本人は買わない友達まで連れて行って
代わりに買い物をしてもらっていましたが、
いまは中国人が通行人に頼んで
買い物の手伝いをしてもらっているとか。
また香港には1日に1万4千名の中国の旅行者が泊っていて
ホテルはどこも大入満員、
シャネルやフェラガモも
とぶように物が売れるようになって、
商人たちがやっと愁眉をひらいたと新聞が
第1面で報じています。
中国人の旅行ブームがはじまったら、
どんな商売がハヤるか改めて考える時が来たようです。


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2002年5月28日(火)

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