第730回
矛盾のあるところ金儲けのタネあり

転業が成功するためには新しい切り口が必要です。
しかし、新しい切り口を見つけるのは
容易なことではありません。
またうまく見つかったとしても、
それを実現するのはもっと大へんなことです。

先ずどうやって見つけるかというと、
割れ目を探すことです。
割れ目とはそこにノミをあてれば、
中まで割り込むことのできるスキマのことです。
スキマとはどう考えても、
こんなことがあっていいわけがないという
社会的な矛盾のことです。

たとえば中国の上場株にはA株とB株と2つあって、
同じ会社の同じ額面1元の株に
AとBという2つの値段がついています。
それもはじめの頃は人民元とドルと表示が違うだけで
為替レートで換算するとほぼ同額でしたが、
中国人と外国人とでは
中国の会社や株式市場に対する信頼度が違うので、
だんだんひらきが大きくなって、
ひどいのになると
10倍も値にひらきができてしまいました。

私はこんな矛盾したことがいつまでも続くわけがない。
中国の経済が軌道に乗りはじめたら、必ず1つになる筈だ、
その場合は安い方が高い方に鞘寄せする筈だから、
「安い方のB株を買ってしばらく忘れていて下さい」
とすすめました。
「いつ頃、一緒になるんですか」ときく人には
「そんなことがはっきりわかっていたら、
 あなたに教えたりしませんよ」
と文句を言ったこともありました。

そうしたら、昨2001年の2月に
北京政府が外貨を所有している国内の中国人も
B株を買ってよろしいとおふれを出しました。
途端にB株の平均株価が5倍も上昇して
B株をじっと持っていた人が
思わぬ報いられ方をしたことがあります。

矛盾とは誰が見ても、
こんなリクツに合わないことがあっていいわけがないという
社会現象のことです。
すべての矛盾が金儲けのタネというわけには行きませんが、
そこを埋めれば
事業として成り立つ空間がたくさんあります。
そこにうまくノミをあてると、
自分の割り込む余地がでてくるのです。


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2002年3月10日(日)

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