第729回
転業には新しい切り口が必要です

いま転業を考えている人は少なくはないでしょう。
でも転業のできる人はそんなにたくさんはいません。
何をやってもうまく行かない時は転業も難しいからです。

先ずいま現に従事している仕事がピンチだといことは、
よその業種から新規に割り込んでくることが
難しいということです。
ということはほかの業種でも同じことですから、
よその業種に新規に割り込むことも難しい
ということになります。
それでもいままでにやったことのない業種だと、
いままでの人がやったことのない
新しいやり方がありそうに思えます。
事実、100円ショップは日用品の販売だし、
ユニクロは衣料品の中の
カジュアルな商品を扱っているだけのことで、
いままで誰も扱ったことのない商品を
手がけているわけではありません。

100円ショップの場合は一回のオーダーが100万個という
常識をこえる数量になっていることや
仕入れ先が全世界に及び、
他の追従を許さないスケールになったことと、
またお客が飽きないように月に700種類も
新商品が加わっていることが
いままでの小売業者と違っています。

またユニクロは日本でプランをたて、
日本人の好みにあったデザインを、
賃金の安い中国に行って生産をさせ、
生産管理から輸入業務、問屋業務、
はては最終の小売業務まで一貫して
自社でやることによって、
儲けを独占していることに特長があります。
4千億円の営業をして、
1千億円の利益をあげているのを見ても
過去の常識を破ったやり方であることがうかがえます。

しかし、うまい商売とわかれば真似をする人が
わんさかと現われます。
第一に同業者が黙ってみているわけがないし、
第二にお客に飽きられるという心配も起ります。
どちらにしても、紆余曲折は免れませんが、
そうした荒波を乗りこえられる人が
生き残ることになります。
人の真似をしたのでは駄目ですが、
そうした切り口を学ばないと
新しい事業の開拓はできないと思います。


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2002年3月9日(土)

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