第704回
揚州、無錫は中国の美食街道筋です

中国視察団の旅程は毎回少しずつ変えています。
北京は中国の首都、
上海は中国で一番経済が発展し、
且つ中国の未来を覗かせる大都市ですから、
両方とも欠かせることができません。

しかし、あいだの2日間は1回目が少林寺、
2回目が中国のミラノ温州、
3回目が成都、4回目が深と香港、
そして、今回が南京、揚州、無錫とつながる
江蘇省の美食街道です。
ご承知の方も多いと思いますが、
揚州はその昔、塩の集散地として栄えたところで、
塩で産をなした富豪たちがスポンサーになって
文化の花を咲かせ、数々の名画家を生むと同時に
揚州料理という中国でも屈指の美味が
いまも生きている町です。

寧波から杭州にかけての逝江省の料理が
濃い味付けであるのに対して、
揚州から無錫、蘇州にかけての江蘇省料理は
淡白な味付けであるのが特徴です。
なかでも揚州料理はその最たるもので、
水晶蝦仁という川エビを
小ぎれいに炒めたものとか、
獅子頭という豚肉でつくったハンバーガーを
煮込んだものとか、
堅豆腐を糸状に切って淡い味に炒めた干糸が
有名です。
どこの中華料理屋に行っても、
チャーハンというと
揚州炒飯というメニューが出てきますが、
揚州に行った時に揚州炒飯ありますかときいたら、
炒飯はありますが、揚州炒飯というのはございませんと
断られたことがあります。

ある時、私は自分の家のコックを揚州で雇おうと考えて
わざわざ揚州まで行ったら、
町で一番のホテルのチーフ・コックが
自分が東京まで行ってもいいですと
申し込んでくれましたが、
私のように1年の半年以上も旅行している家では
閑をもてあましてとても勤まらないだろうと
断念したことがあります。
そうしたら南京市の一流ホテルが
すぐチーフ・コックに雇いましたから、
やはりいい腕前だったことがわかります。
揚州ではそのレストランに食事に行く予定にしています。
揚州の大明寺は奈良の唐招提寺の鑑真和尚が
律学を講じていた由緒ある寺です。


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2002年2月12日(火)

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