第690回
旅の愉しみは美味に出会うことです

そうは言っても、
やはり食べ物は大都会に出ないと駄目ですね。
雲南省なら何と言っても昆明市です。
昆明は雲南料理の粹を集めたところで、
昆明料理を代表するものは
過橋米線と汽鍋鶏と宜良焼鴨です。

過橋米線の米線とはお米でつくったソーメンのことであり、
熱いスープとソーメンと具を別々に出してきて、
自分でまぜて食べます。
従ってスープは煮えたぎっていないと口に合いません。
昆明中どこに行っても売っていますが、
当然、うまいまずいがあります。
汽鍋とは蒸気がまわるようになった雲南独特の鍋料理で、
鶏肉を漢方の薬材で調理しています。

雲南料理で私が一番気に入っているのは
宜良という昆明の郊外の町からはじまった
北京ダックに似た、しかし、北京ダックよりも美味な
オーブンで焼いた家鴨の料理です。
観光客の行くところは避けて、
町の人が一番よく集まるところへ案内して下さい
と頼んだら、あまり商売気がなくて、
とても感じの良い若いガイドさんが
雲南日報の本社の真ん前にある學成飯店という
雲南料理の店に連れて行ってくれました。

見ると、お昼の食事のためでしょう、
宜良鴨を買う人の行列ができているんですね。
行列ができるくらいですから
高い値段でないことがわかります。
なかに入ると既にテーブルは一杯になっていて、
やっと席をつくってもらって、一汁五菜
それに雲南紅酒という地元のワインを1本注文しました。
料理はどれもうまく、
なかでも宜良鴨と黄金大餅という
油で揚げた餡入りのパンが出色でした。
4人で食べて飲んで150元で、
なかでも一番びっくりしたのが宜良鴨が
1羽で13元だったことです。
北京の全聚徳では168元とられるところが、
たったの13元でしたから、とてもびっくりしました。

「美味しい店には二度続けて行け」というルールに従って、
大理からの帰りに昆明飛行場からとび出してもう一度、
昼食をとりに行きました。
おかげで旅の途中で不愉快だったことは
すべて忘れてしまいました。


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2002年1月29日(火)

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