第663回
財産は10分の1しか残りません

正月ですからおとそ気分で、
気にかかることもしばし忘れておりたいところですが、
私はひとり香港の港の風景を
自分のマンションの窓から眺めながら、
これから一年間、自分は何をやるべきか
考えているところです。

恐らくことしは悪いニュースが
幕を半分ひらいたカッコーの年になるでしょう。
アメリカのアフガン作戦は峠を越えるでしょうが、
デフレはこれから波及しはじめるところですから、
倒産はふえ続けるし、失業者もふえ続けます。
倒産した人はもとよりのこと、
職場を失った人も、新しい仕事を探すことに
全力をあげなければならない時でしょう。
まだ倒産していまい人でも、ジリ貧を肌で感じている人は
いつ店じまいをするか、
転業するとすれば、どんな業種に転業するか、
真剣になって取り組まざるを得なくなる時です。

私のレシーバーは少しばかり性能がいいと
自負していますので、
4、5年も前からこうなることを予想して、
大変だ大変だとブザーが鳴り続けてきました。
財産が半分残れば不幸中のしあわせとしなければと
自分にも言いきかせ、本にも書いてきましたが、
整理できるだけ整理をし、
捨てる物を捨てられるだけ捨てて、
まだそれでも全部捨てきっていませんが、
実際に残った財産はザーッと計算しても、
10分の1でしょうね。

いまはお金を持っていた人ほど財産を失う時代です。
自分がそうなることを覚悟して、
きびしい現実と直面するだけの勇気がなければ、
心やすらかに生きて行くことはできません。
過去に成功した実績を持っている人ほど
転換がしにくいのは、成功の実績を持った人ほど
自分の生き方に間違いがないと言う自信を
持っているからです。
その自信が転換の邪魔をするのです。
そういった意味では古い時代を生きてきた人よりも、
過去を知らない人たちにチャンスがまわってきた
と言えます。
時代が変われば、新旧の入れ替えも避けられません。
みなが頭を抱える時が次の時代を背負う人たちの
チャンスなんです。


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2002年1月2日(水)

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