第658回
銀行に眠っている鉱脈を掘り起こせ

日本でやる仕事がなくなってしまった。
これからの日本はジリ貧だ。
どうすればいいんだろうか、僕たちは・・・
と嘆く人がいます。

いままでのような賃金を払っていたのでは
会社がやって行けなくなったので、
首を切るか、賃金カットをするか、
あるいはそのどちらもやることを
多くの会社が迫られています。
そういうなかで、新しい仕事を探したり、
またわざわざ脱サラをして独立する人は
皆無に近いでしょう。

しかし、仕事をなくした人は
新しい仕事を探さなければならないし、
最も困難な時にスタートした仕事は
鍛えられて大きく成長する可能性があります。
次にやる仕事について想を練るにはいい時期です。
そういう目で見ると、日本人が持っていて、
よその国の人が持っていない財産があります。
それは1400兆円にものぼる金融資産です。

これらの資産は日本人が工業化のプロセスで貯め込んだ
キャッシュの形になった資産です。
大抵の国の人はお金を儲けると、
不動産にしたり、株を買ったり、
もしくは債権に投資したりします。
ところが、日本では大半の人が直截投資をしないで、
現金を銀行や郵便局に定期預金のままほうりこんで
わずかな利息収入に甘んじています。

定期預金の利息が六%あった時代はまだいいのですが、
昨今のような低金利時代になると
利息はタダみたいになります。
銀行の貸し出し金利も下がっていますが、
預金金利に比べれば
銀行の方が儲けすぎと言ってよいでしょう。
資金の運用を自分でやらず、
運用による利益を
ほとんど金融機関に吸いとられてしまうので、
お金を持っている人は
お金を持っていることによるメリットを
全くと言ってよいほど享受しておりません。
これでは資本を持っている人の特権が
生きないばかりでなく、
無駄にしてしまっています。
死んでしまっている鉱脈を
自分で掘り起こしてお金に働いてもらえば、
日本人はもっと豊かになるし、
もっと世界経済の発展に貢献できると思います。


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2001年12月28日(金)

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