第657回
1400兆円の金融資産が眠っています

人口の多いことはどの国にとっても大きな負担でした。
貧乏な国ほど人口が多く、その人たちをたべさせるだけでも
大へんなことだったからです。

しかし、それは適当な働き場所がなく、
働いても低い付加価値しか生まず、
折角の労働力が空費されていたからです。
日本もかつてはそういう国でしたが、
戦後、必要に迫られて工業化に踏み切ると、
安くて質のよい労働力が
時と共にますます高い付加価値を生むようになったので、
人々の所得もふえ、
国としても裕福な国にのしあがることができました。
安くて良質な労働力はそれをうまく活用できれば、
富を生む最大の資源になるのです。

ところが、労賃が高くなりすぎて、
それを使って生産した製品が競争に打ち勝てなくなると、
物の値段が下がって
付加価値を生むことができなくなってしまいます。
デフレになっても、
ちゃんと利益の出る賃金の安い地域に行って生産すれば、
かつて日本で起ったことが再現されます。
日本だけでなく、かつての先進国が
次々と工場を中国大陸に移動しているのは、
この原理に基づくものです。
お金の動きについて行こうと思えば、
そういう方向転換をするよりほかないでしょう。

どこの国でもよい、
付加価値を生むような状態に労働力を訓練し、
活用することができれば、お金を生むのです。
そういう可能性のあるところに行って
金の卵を産むように仕向ければ、
そこの人たちも金持ちになるし、
それを仕掛けた人も金持ちになります。
すると、いままで貧乏だった人々が金持ちになりますから、
人口の多いことがプラスに働いて大きな市場に成長します。

かつて日本が歩んだ道を
いまの中国が歩みはじめているのです。
日本に仕事がなくなったことを嘆くよりも、
付加価値を生む仕事のたくさんあるところへ
自分が動けばいいのではないでしょうか。
日本人にとって有利なことは、
日本には1400兆円もの
眠っている金融資産があることです。
それを活用するのが
これからの日本人の仕事だと思いませんか。


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2001年12月27日(木)

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