第624回
世界の工場は中国に動きます

グローバル化がはじまると、
国境の壁が少しずつはずされますから、
モノ・カネ・ヒトの行き来が以前より容易になります。
と言っても、完全に自由になるわけではありませんから、
障害はまだまだたくさんあります。

先ずグローバル化がすすむにつれて、
武力というタガで締めつけられて
外部からは見えなかった国の中が
白日にさらされてしまいます。
たとえば、旧ソ連の成員だった国々が
1つにまとまっていると思いきや、
実は宗教的にも民族的にも
お互いに利害の反する集団の呉越同舟で、
一触即発の爆弾を抱えた関係にあることが
わかってしまいました。

同じように、中近東とヨーロッパの関係も
永年、被統治者と統治者の関係におかれ、
「アラビアのローレンス」の本を見ると、
独立を助けるイギリスの志士たちが
美化して語られていますが、
怨みと憎しみの渦巻くなかでの対立が続いています。
昨今はブレア首相の必死の奔走が目立っていますが、
中東で最も憎まれていたのが実はイギリスであり、
それをついでアメリカがイスラエルの肩を持ったことが
アメリカがイスラムの目のカタキとして
矢面に立つきっかけになっています。
つまりこれまで武力をタガにして
蓋をかぶせて見えなかった隣り合った地域の矛盾や衝突が
一挙に露呈してしまったのです。
情報化の時代になって、悪い情報ほど筒抜けですから、
もう1度、武力に物を言わせて不満分子を黙らせることは
恐らくできないでしょう。

とすれば自治の区域の線引きを新しくしなおすことは
恐らく必要になるだろうし、
同時にまた異民族、異教徒の共存のルールを
つくらざるを得なくなります。
それからもう1つ、民族や宗教を超越して
産業が適材適所を求めて
地球上を動きまわるようになります。
たとえば、中国のWTO加盟によって
諸国の産業資本が中国に動き、
中国が世界の工場になることは考えられますが、
中近東が世界の工場になることは
ちょっと考えにくいでしょうね。


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2001年11月24日(土)

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