第608回
OEMで生き残るよりほかありません

北京に2泊して早朝に新ピカの北京飛行場を発ち、
2時間あまり後に四川省の成都に着きました。
成都は中国の山奥にある感じですが、
人口1000万の近代都市。
ガラス張りのモダンなビルが建ち並び、
道行く成都美人の服装も北京よりは
ずっとアカ抜けています。
揚子江で上海と連結している関係で、
上海の流行が
そのまま成都の流行になっているからです。

10年前、成都市に頼まれて
市の中心部の開発を手がけた関係もあって、
私は市長さんをはじめ市政府の高官たちと
親しくしています。
ですから、私たちが来ることが知れると、
土曜日にも拘らず、経済担当の何紹華副市長さんが
わざわざ投資環境についての説明会をひらいてくれました。
成都には工業団地もありますし、
四川長虹という年間テレビを800万台生産する
中国一の家電メーカーもこのすぐ近くにあります。
労働力が豊富で、賃金が沿海地域に比べてかなり安いので、
労働集約的な生産工場がこの土地に集中しています。

また農産物が豊富なので、
遠くは瀋陽あたりからまで
野菜の仕入れに来ているトラックを見たことがあります。
私は日本で漬物屋をやっている社長さんを案内して
青物市場の見学に行ったことがありますが、
驚いたことに関西の漬物屋さんが小さいながらも、
既に工場を建てて操業をしていました。
野菜の値段が日本の10分の1という安さですから、
こんなに離れたところでも仕事になるのでしょう。
開拓屋精神のある連中が未知の世界に挑んで
新しいルートをつくると、
ボヤボヤしている連中が政府に泣きついて
セーフ・カードを発令するというパターンを
見せつけられているようなものです。

ついでに申せば、
四川長虹のテレビの部品は東芝が供給しています。
21インチのカラーテレビが
中国では1000元(1万3000円)を
割ってしまいましたから、
日本のテレビ・メーカーで
中国のメーカーと太刀打ちできる会社は
1社もないようになってしまいました。
日本のメーカーは現地でOEMでつくってもらって、
販売を手がける会社に転身するよりほかないでしょう。


←前回記事へ

2001年11月8日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ